ヤガンEX

映画とか漫画とか似顔絵とか

邦画

【邦画】『ビジランテ』--地方都市の闇の前では、一家族の話など些末なことなのか

60点 映画は、答えではなく問いであってほしいと思っている。もちろん映画の種類にもよるのだが、「現実における社会の闇を鋭く抉る」的なテーマだったら、映画内で唯一の回答を示して完結させるようなことはしてほしくない。観ているこちら側に問いを投げ…

【邦画】『DESTINY 鎌倉ものがたり』--山崎貴監督作品には、時間の感覚が無い

57点 山崎貴監督の作家性とは何か。それは「時間の感覚が無い」ということではないか。映画というジャンルは、時間を自在に扱えるジャンルとされているが、山崎監督は一切その特性を生かそうとしない。頑ななまでに。

【邦画】『青春夜話 Amazing Place』--夜の学校とは、なんと神秘的な空間だろうか

66点 夜の学校とは、なんと神秘的な空間だろうか。こと青春映画において、夜の学校は日常からちょっと外れた舞台として、幾度となく使用されている。あまりに使い勝手が良いので、昨今のセキュリティ事情なんてお構いなしに、ごくごく簡単に忍び込めること…

【邦画】『探偵はBARにいる3』--そろそろ大泉洋について真剣に考えるべきではないか

61点 大泉洋とはなんなのか。一度、真剣に考えるべきではないか。ボクの知る限り、タレントとしてのポジションが唯一無二の存在である。人気者ってだけならたくさんいるが、その人気の源が、どうにも掴めないのだ。さらにややこしいことに、ボク自身、大泉…

【邦画】『鋼の錬金術師』--「原作の要素を縮小する」という改変は、正しい方法論である

56点 脚本というか、原作からのストーリーの改変の仕方は、巧くやっているほうではないか。今年の公開作で言うと、例えば『ジョジョの奇妙な冒険』のように回収する気のない伏線の乱発も無いし、『東京喰種 トーキョーグール』のように超駆け足の展開によ…

【邦画】『火花』--芸人のカリスマ性を表現するのは、カリスマ性のある芸人監督には無理だろう

55点 どうしよう。この作品を「吉本の芸人が書いた小説がメチャクチャ話題になったので映画化した」という文脈でとらえるならば、いつものようにアラを指摘すればいいのだが、どうしても自分の中で葛藤がある。というのも、ボクは映画監督・板尾創路の大フ…

【邦画/アニメ】『GODZILLA 怪獣惑星』--これは「もしもゴジラが○○だったら」大喜利だろう

監督:静野孔文、瀬下寛之/脚本:虚淵玄配給:東宝映像事業部/公開:2017年11月17日/上映時間:89分出演:宮野真守、櫻井孝宏、花澤香菜、梶裕貴、杉田智和、諏訪部順一 スポンサードリンク // 57点(暫定)仕方のないことなんだけど、公開直前に『シン・ゴジラ…

【邦画】『南瓜とマヨネーズ』--オダギリジョーの、現実にもいそうな非現実性ってなんだろう

62点 オダギリジョーの非現実性ってなんだろう。演技が浮いている、とかではない。現実にもいそうな非現実性、って書くとなんかパラドキシカルだが、まあそういう感じ。

【邦画】『泥棒役者』--元は演劇だったものを「演劇みたいな映画」にする意味はあるのか?

54点 いつも思うのだが、元は演劇だったものを「演劇みたいな映画」にする作業に、どれほどの意味があるのだろうか。「演劇みたいな映画」というのは、単に密室劇というだけではない。法廷モノや『SAW』のようなワンシチュエーション・ホラーも密室劇だ…

【邦画】『エキストランド』--これからも「観客のいない映画」の観客になっていく所存

74点 これが傑作かどうかはわからない。だがこれは映画を愛する全ての人、特に映画の作り手の側ではない立場の人(つまり観客)は、絶対に観るべき作品である。映画の作り手からすると「映画制作あるある」として楽しめるそうだが、それで終わってしまうの…

【邦画】『一礼して、キス』--高校生男女の青春ラブストーリーのはずが、なぜかホラー風味

53点 高校3年生で弓道部部長の岸本杏(池田エライザ)は、他の部員が帰った後も、夜になるまでひとりで練習にいそしむ。そんな彼女を暗い部屋の中から見つめ、「先輩、一緒にインターハイに出ましょう」とひとり呟く謎の男。ろくに練習していないのに実力…

【邦画/ドキュ】『We Love Television?』--誰が欽ちゃんを殺すのか?

54点 萩本欽一のことをちゃんと認識したのはいつだったか。ボク(37歳)の年齢だと、欽ちゃんの全盛期は生まれる前の歴史でしかない。存在を知ったのは『欽ちゃんの仮装大賞』だが、かつてTVにおいて超人だったと知ったのは、漫画『ちびまる子ちゃん』では…

【邦画】『ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~』--特殊能力者を主人公にしながら、その能力を全く使わないって

60点 とにかく観ていて心地いい。さすがはアカデミー協会も認めた職人監督・滝田洋二郎であって、基本を押さえた丁寧な作りである。美点は色々あるけれど、主要人物の背後に動くもの(エキストラなど)を置いて、画面を退屈にさせないという手法が良かった…

【邦画】『氷菓』--ヒロインは、もっと現実感のない人でないといけなかったのでは

53点 まず最初に、一応は建築に関わる仕事をしている者として、これだけは言っておく。学校の教室のような公共の場で、鍵が内側から開けられないなんてことは、絶対にありえないから。たぶん、何かしら法律にも引っかかるはず。

【邦画】『彼女がその名を知らない鳥たち』--「沼田まほかる原作」という、新たな惹句

57点 偶然なのか誰かの謀略なのか知らないが、立て続けに沼田まほかる原作の映画が公開された。『ユリゴコロ』と、本作『彼女がその名を知らない鳥たち』の2作。なぜ、ここにきて急に沼田まほかるブームが到来したのか。そもそも、ブームなのか。

【邦画】『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY ―リミット・オブ・スリーピング ビューティ―』--妄想は、打ち砕かれるためにある

66点 女優を夢見て上京してきたオリアアキ(桜井ユキ)は、ふと入ったバーで知り合ったカメラマンのカイト(高橋一生)に連れられ、サーカス団の宿舎に居候することになる。マジシャンの助手としてサーカスに出演しながら10年経った29歳のとき、映画『東京…

【邦画】『あゝ、荒野』(前篇/後篇)--5時間を超える歪な作品

70点 歪な作品である。寺山修司の原作も読んでみたが、あとがきによると構成を決めずに思いつくままにつらつらと書いていたらしく、たしかに整理されていない。だが、原作の散らかり具合と、本作の歪さは、また別物だ。本作にとって寺山修司の原作小説は、…

【邦画】『ミックス。』--卓球はスポ根に向かない

52点 えーと、ネタバレ全開で行きます。公開から1週間以上経っているのでいいでしょう。あと、これは本作に限ったことではないけれど、予告編によってストーリーの9割が明らかにされているので、別に隠す必要なんてなさそうだし。

【邦画】『斉木楠雄のΨ難』--原作がSFという時点で福田雄一監督の手に負えないのは分かっていたわけだが

44点 原作は「週刊少年ジャンプ」連載中のギャグ漫画。テレポーテーション、透視、千里眼、テレパシーなどなど、なんでもできる超能力少年・斉木楠雄が、自らの能力がバレることなく平穏に高校生活を送ろうとするという話である。基本的に一話完結で、「ジ…

【邦画】『ニコトコ島』『石と歌とペタ』--何も積み重ならないモラトリアムの心地よさ

ともに54点 シアター・イメージフォーラムでレイトショー上映されている「大力拓哉・三浦崇志 監督特集」という特集を観に行ってきた。寡聞にして知らなかったのだが、インディーズで活動する監督コンビの代表作が、ついに一般公開になったということらしい…

【邦画】『亜人』--なぜ主人公を「普通の人」に変更したのか

48点 原作がある映画の場合、原作からどこをどのように変更したかによって、作り手の意思を読み取るというのは一般的な見方であろう。人気漫画を原作とする『亜人』はどうかというと、実は原作のある重要な要素をバッサリと切り落としている。しかもそれが…

【邦画】『パーフェクト・レボリューション』--障害者×純粋すぎるヒロイン×考えすぎる介護役

幼少期の脳性麻痺により車椅子生活を送る中年のおじさん・クマと、人格障害(正確にはパーソナリティ障害だが、劇中で使用された用語を採用します)の美少女・ミツによるハートフル・ラブストーリー。公開規模は小さいが、日曜日かつ映画サービスデーのTOHO…

【邦画】『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』--ヒロイン役は水原希子ではなく、安藤サクラである

69点 まず断言しなくてはいけない。映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』(以下、『民生ボーイ』)の主人公は妻夫木聡演じる雑誌編集者・コーロキであり、ヒロインは誰が何と言おうと安藤サクラ演じるコラムニスト・美上ゆうで…

【邦画】『三度目の殺人』--真実を示さないという構造を取っているのは、どういう効果を持つのか

64点 ズルいのである。これは「真実が何なのか劇中ではっきりと示されない」というタイプの作品である。もちろんそういう映画も多いのだが、この作品の場合は「謎は謎のままで余韻を楽しむ」という話でもないのではないか。映画『三度目の殺人』において、…

【邦画】『散歩する侵略者』--抽象性の高い話を映画の力で強引に納得させている

62点 地球を侵略しに来た宇宙人が、地球人から「家族」「所有」「仕事」といった概念を奪っていく。非常にぼんやりとした、抽象性の高い話である。元は戯曲であるが、純文学小説にしたら面白いかもしれない。半面、映画にするのは難しい。油断すると言葉遊…

【邦画】『蠱毒 ミートボールマシン』--伏線の回収の仕方が笑えるスプラッターホラー

67点 「蠱毒」とは、ヘビやサソリやクモといった生物をひとつの壺の中に入れて互いを食い殺させ、最終的に残った一匹を食べるか食べさせるという古代中国の呪術。自分が食べて最強になるとか、嫌な奴に食べさせて1週間以内に死なすとか、効用はいくつか説…

【邦画】『関ケ原』--義を重んじる誠実な男が、狡猾な戦略家に痛めつけられ敗北する話

54点 この映画、いろいろと違和感を覚える箇所が多い。とにかく気になるのが、たびたび登場する西暦と場所を示した字幕。「1597年。大阪、伏見城。」みたいな感じで、謎の「。」が入っている。何なの、これ? あと、この話は「後世の人物が関ケ原について…

【邦画/アニメ】『山村浩二 右目と左目でみる夢』--不思議な心地よさがあるアニメの特集上映

62点 山村浩二という名前を聞いて、どれくらいの人が「ああ、あの人ね」と解ってくれるのだろうか。「ほら、『頭山』の人」と言えば、少しは増えるだろうか。かくいうボクも、『頭山』と言われて初めて思い当たった口であり、恐縮するしかないのだが。

【邦画/アニメ】『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』--川村元気がシャフトに対して言わなければならなかったこと

45点 本作をレビューするうえで、非常に大きな問題が横たわっている。ネタバレ防止を掲げるには、ストーリー説明は冒頭から4分の1までという一般的見解がある。したがって、本作の場合は最初の駅のシーンあたりまで、が妥当だろう。だが、それ以降に触れ…

【映画駄話】2017年8月後半公開の、気になる邦画

・観る 『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(8/18 公開) 岩井俊二の青春ドラマを監督:新房昭之、脚本:大根仁という布陣でアニメ化。偏見なんだけど、新房昭之とか大根仁が好きな人って、岩井俊二のこと嫌いそうだな。もちろんアニメは観るし期待…