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映画とか漫画とか似顔絵とか

映画

【邦画】『不能犯』--松坂桃李にも沢尻エリカにも感情移入できない観客の視点となるのは…

58点 これ、漫画原作だったのね。先に知っていたら、また違った感慨があったのかもしれない。いや、複数のエピソードがギュッと押し込められている展開から、ある程度連載が続いている原作の存在を予測しなくてはいけなかった。まだまだだな、自分は。

【邦画】『祈りの幕が下りる時』--阿部寛はコメディアンである

64点 原作の功績によるところも大きいと予想されるのだが、ちゃんとしたミステリ映画になっているのである。改めて思い返すと、けっこう入り組んだ構造なのだが、観てる間はそれほどややこしいと感じなかった。最終的に「ある人物がある人物の首を絞めて殺…

【洋画】『ジオストーム』--いい年した大人の兄弟愛を再確認する一方で死んでいく大量の人々

56点 最初に断っておきます。今回、科学考証からくるツッコミは控えます。それをやり始めるとキリがなくなるし、無視するのがこの手の映画の正しい作法だと思うし。モスクワに飛ばされた熱戦ビームみたいなのは何なのか、とかは言いません。そもそもあれは…

【邦画】『嘘を愛する女』--直線だけのドミノ倒しのように進む退屈な話

54点 自分の彼氏が急にくも膜下出血で意識不明の重体となったところ、なんと名前も経歴も詐称していたと発覚。彼が寝ている間に本当は何者なのか探偵とともに探っていく、というのが大筋の話である。普通に暮らしていた幸せが一転するわけで、観客にも「も…

【邦画】『ピンカートンに会いにいく』--人は誰しも、中途半端に終わった過去に囚われてしまう

65点 言い方が難しいが、「トウのたった女優」が5人も勢ぞろいすると壮観である。内田慈という女優は昔からよく見かけていて、市川実和子の後を継ぐ神秘性を持った存在だと思っていたのに、まさかこんな人になるとは予想だにしなかった。あと山田真歩。『…

【邦画】『わたしたちの家』--主人公の「家」に対する計算された構図とカメラワーク

61点 東京藝術大学大学院の修了作品で、PFFアワード2017グランプリの受賞作。非常に判断に困る作品である。というのも、ストーリーだけ追えば、完全に観客に丸投げしているからだ。丸投げしているというのは作品のテーマとかそういうこと以前に、話の意味…

【邦画】『ホペイロの憂鬱』--J3サッカークラブの裏方を主人公にした意外な良作

68点 完全ノーマーク、意外な掘り出し物であった。話の舞台はJ3のサッカークラブ「ビックカイト相模原」。勝てばJ2昇格という大事な試合前に、次々と小さな事件が起こる。主人公であるホペイロ(用具係)の坂上(白石隼也)が、広報プレスの鬼塚(水川…

【邦画】『悪と仮面のルール』--異質な子供時代を経て誕生したのが、オロオロ小市民だった

49点 中村文則の小説は初期のものをすこし読んだだけで、ここ最近の大作には手を出していないのだが、こんなペラペラな話なんだろうか。オートロック付き高級マンション内の自宅にいとも簡単に入り込んでくるようなヤバいヤツに睨まれているというのに、特…

【邦画/アニメ】『映画 中二病でも恋がしたい! Take On Me』--七宮智音が幸せになってくれれば、それでいい

58点 京都アニメーション制作のアニメは、最終回で主人公がヒロインに告白するというパターンを何度か行っている。『境界の彼方』『氷菓』や、劇場版だが『たまこラブストーリー』など。深夜アニメの場合は「恋愛未満」のまま関係性を停滞させておいたほう…

【邦画】『愛の病』--無理筋な話も「だって実話だから」という推進力のみに依存しているが・・・

監督:吉田浩太/脚本:石川均配給:AMGエンタテインメント/公開:2018年1月6日/上映時間:96分出演:瀬戸さおり、岡山天音、八木将康、山田真歩、佐々木心音、藤田朋子 スポンサードリンク // 57点映画のレビューを書く際、真っ先に役者の演技を褒めるのは、…

【邦画】『嘘八百』--時間潰しにちょうどいい映画がもっと必要である

61点 予告を観たときは松竹っぽいなあと思ったが、実際に観てみるとむしろ東映じゃないかと思い直し、でも実際にはギャガだった。題材こそ和風だが、一世一代の詐欺によって恨みのある相手をやっつけようとするというコミカルなコン・ゲームの様子が、昔の…

【47都道府県すべての映画館で映画を観る企画】Vol.11 京都編(後編)--「出町座」シアターBFの最後列にはハコウマがある

出町座 開館:2017年/運営:シマフィルム/スクリーン数:2/座席数:計90(42,48)/音響:JBLシネマスピーカー、JBL LCR+surroundスピーカー 所在地:京都市上京区/アクセス:叡山電鉄、京阪電鉄 出町柳駅より徒歩5分

【47都道府県すべての映画館で映画を観る企画】Vol.11 京都編(中編)--「京都シネマ」で上映していた短編アニメが気になる

京都シネマ 開館:2004年/運営:如月社/スクリーン数:3/座席数:計254(104,89,61)/音響:SRD-EX,DTS,SRD 所在地:京都市下京区/アクセス:地下鉄烏丸線四条駅、阪急京都線四条烏丸駅よりすぐ

【47都道府県すべての映画館で映画を観る企画】Vol.11 京都編(前編)--「京都みなみ会館」の座席は4列目が最も低い

京都みなみ会館 開館:1963年/運営:巖本金属/スクリーン数:1/座席数:154/音響:DCP所在地:京都市南区/アクセス:JR京都駅より徒歩20分、近鉄東寺駅より徒歩3分 スポンサードリンク // あけましておめでとうございます。本年も当ブログをよろしくお…

2017年の新作映画 点数一覧

年の瀬なんで、2017年の新作映画の点数一覧表でも載せておきます。ブログで取り上げたときの点数から変えているものもたくさんあります。今年の初っ端に『沈黙』の点数を低くつけすぎちゃったせいで、あとの作品も「『沈黙』より上じゃないよな」ってかんじ…

【邦画】『勝手にふるえてろ』レビュー--満員の映画館で観ることで観客全員の気持ちが松岡茉優と同化してしまう傑作

72点 まず大前提として、非常に有能なエンタテイメント作品である。その証拠に、満員のシネマカリテで観たのであるが、同じ個所で観客全員がクスクスと笑うのだ。今どき、ギャグ映画だってここまで観客の笑いをコントロールできやしない。本作は純文学寄り…

【邦画】『MR.LONG/ミスター・ロン』--ダラダラとした幸せは全てを救うという単純な思考は罪である

53点 これは良くない。純粋無垢なピュアさによって、単純明快で嘘っぱちな世界を構築してしまっている。創り手に悪意が無い分、タチが悪い。

【邦画/アニメ】『ガールズ&パンツァー 最終章 第1話』--時間が足りないのなら、時間を延ばすという手段を取る

72点 ※ 暫定 先に断っておくと、『ガールズ&パンツァー』には並々ならぬ思い入れがある。いくら冷静にレビューを書こうとしても、ついついパッションが先走りして言語化が追いつかず、「ガルパンはいいぞ」状態になってしまうのは仕方ないことだ。とは言…

【邦画/アニメ】『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』レビュー--「子供に媚びない」と「子供を無視する」のは違う

56点 「妖怪ウォッチ」についてはゲームもアニメも全く知らず、本作がファーストコンタクトであったため、理解が追い付いてこなかった。どうやらこれは本編の30年後の世界らしい。妖怪たちの見た目もボクが漠然と知っている姿とはかけ離れていて、ウィスパ…

【邦画】『ビジランテ』--地方都市の闇の前では、一家族の話など些末なことなのか

60点 映画は、答えではなく問いであってほしいと思っている。もちろん映画の種類にもよるのだが、「現実における社会の闇を鋭く抉る」的なテーマだったら、映画内で唯一の回答を示して完結させるようなことはしてほしくない。観ているこちら側に問いを投げ…

【邦画】『DESTINY 鎌倉ものがたり』--山崎貴監督作品には、時間の感覚が無い

57点 山崎貴監督の作家性とは何か。それは「時間の感覚が無い」ということではないか。映画というジャンルは、時間を自在に扱えるジャンルとされているが、山崎監督は一切その特性を生かそうとしない。頑ななまでに。

【邦画】『青春夜話 Amazing Place』--夜の学校とは、なんと神秘的な空間だろうか

66点 夜の学校とは、なんと神秘的な空間だろうか。こと青春映画において、夜の学校は日常からちょっと外れた舞台として、幾度となく使用されている。あまりに使い勝手が良いので、昨今のセキュリティ事情なんてお構いなしに、ごくごく簡単に忍び込めること…

【邦画】『探偵はBARにいる3』レビュー--そろそろ大泉洋について真剣に考えるべきではないか

61点 大泉洋とはなんなのか。一度、真剣に考えるべきではないか。ボクの知る限り、タレントとしてのポジションが唯一無二の存在である。人気者ってだけならたくさんいるが、その人気の源が、どうにも掴めないのだ。さらにややこしいことに、ボク自身、大泉…

【邦画】『鋼の錬金術師』--「原作の要素を縮小する」という改変は、正しい方法論である

56点 脚本というか、原作からのストーリーの改変の仕方は、巧くやっているほうではないか。今年の公開作で言うと、例えば『ジョジョの奇妙な冒険』のように回収する気のない伏線の乱発も無いし、『東京喰種 トーキョーグール』のように超駆け足の展開によ…

【邦画】『火花』--芸人のカリスマ性を表現するのは、カリスマ性のある芸人監督には無理だろう

55点 どうしよう。この作品を「吉本の芸人が書いた小説がメチャクチャ話題になったので映画化した」という文脈でとらえるならば、いつものようにアラを指摘すればいいのだが、どうしても自分の中で葛藤がある。というのも、ボクは映画監督・板尾創路の大フ…

【邦画/アニメ】『GODZILLA 怪獣惑星』--これは「もしもゴジラが○○だったら」大喜利だろう

監督:静野孔文、瀬下寛之/脚本:虚淵玄配給:東宝映像事業部/公開:2017年11月17日/上映時間:89分出演:宮野真守、櫻井孝宏、花澤香菜、梶裕貴、杉田智和、諏訪部順一 スポンサードリンク // 57点(暫定)仕方のないことなんだけど、公開直前に『シン・ゴジラ…

【邦画】『南瓜とマヨネーズ』--オダギリジョーの、現実にもいそうな非現実性ってなんだろう

62点 オダギリジョーの非現実性ってなんだろう。演技が浮いている、とかではない。現実にもいそうな非現実性、って書くとなんかパラドキシカルだが、まあそういう感じ。

【邦画】『泥棒役者』--元は演劇だったものを「演劇みたいな映画」にする意味はあるのか?

54点 いつも思うのだが、元は演劇だったものを「演劇みたいな映画」にする作業に、どれほどの意味があるのだろうか。「演劇みたいな映画」というのは、単に密室劇というだけではない。法廷モノや『SAW』のようなワンシチュエーション・ホラーも密室劇だ…

【邦画】『エキストランド』--これからも「観客のいない映画」の観客になっていく所存

74点 これが傑作かどうかはわからない。だがこれは映画を愛する全ての人、特に映画の作り手の側ではない立場の人(つまり観客)は、絶対に観るべき作品である。映画の作り手からすると「映画制作あるある」として楽しめるそうだが、それで終わってしまうの…

【邦画】『一礼して、キス』--高校生男女の青春ラブストーリーのはずが、なぜかホラー風味

53点 高校3年生で弓道部部長の岸本杏(池田エライザ)は、他の部員が帰った後も、夜になるまでひとりで練習にいそしむ。そんな彼女を暗い部屋の中から見つめ、「先輩、一緒にインターハイに出ましょう」とひとり呟く謎の男。ろくに練習していないのに実力…