ヤガンEX

映画とか漫画とか似顔絵とか

映画‗原作‗漫画

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『罪の声』『超擬態人間』『おらおらでひとりいぐも』『ジオラマボーイ・パノラマガール』

最近観た邦画4作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】『とんかつDJアゲ太郎』ネタバレあり感想レビュー--誰もが予想しうる自明のラストシーンに至るまでの構築が完全にゼロの衝撃

とんかつ映画と言えば、川島雄三監督で森繁久彌と淡島千景が出演した『喜劇 とんかつ一代』が真っ先に思い浮かぶ。というか、他に出てこない。ボクは随分前に、今は亡き吉祥寺バウスシアターの爆音映画祭で『喜劇 とんかつ一代』を観ていて、正直なところ内…

【邦画】『弱虫ペダル』感想レビュー--約7割が自転車を漕いでいるシーンの中で物語を構築する大変さ

晴れて高校に入学したアニメオタクの小野田坂道(永瀬廉)は、念願のアニメ研究会に入ろうとするも、人数が足りないので廃部になったとの掲示を見て、学校の廊下でひとり叫び膝から崩れ落ちる。現実世界で実際に「膝から崩れ落ちる」人はいないわけで、フィ…

【邦画】『ぐらんぶる』感想レビュー--長期連載しているギャグ漫画を実写映画化したときに発生する問題点と、その解決法とは

ギャグ漫画を実写映画化するときに、必ずぶち当たる問題がある。ギャグとはいえ、長く連載を続けていると、ちょっと感動できるようなエピソードも混じってくる。特に印象的だと神回とか呼ばれて、ファンの間では語り草になったり。で、そんな大切なエピソー…

【邦画】『いけいけ!バカオンナ ~我が道を行け~』感想レビュー--2010年から現在に至る10年間の話なのに時代性や時間経過への配慮が皆無ではカタルシスは生まれない

話の骨格自体は悪くないのである。未読だが、おそらく鈴木由美子(『白鳥麗子でございます』の人)の原作漫画がよくできているのであろう。見栄っ張りで自尊心の強い"バカオンナ"の20代の半生を追った物語。原作はバブル期が舞台だが、映画では2010年から現…

【邦画】『私がモテてどうすんだ』感想レビュー--逆ハーレム状態ながら恋もせず欲望に正直なままのヒロインは現代的である

少女漫画が原作の映画『私がモテてどうすんだ』は、太った腐女子オタクの女子高生が急に激ヤセして超絶美人になったためにイケメンどもが寄り付いてくるという、設定だけ抜き出したらルッキズムの極みのような酷い話に思える。実際、冒頭からしばらくは、ル…

【邦画】『のぼる小寺さん』感想レビュー--気づき、見つめて、近づこうとするだけで、青春は充実する

監督:古厩智之/脚本:吉田玲子/原作:珈琲配給:ビターズ・エンド/上映時間:101分/公開:2020年7月3日出演:工藤遥、伊藤健太郎、鈴木仁、吉川愛、小野花梨、両角周、田中偉登、中村里帆、小林且弥 注意:文中で直接的なネタバレはしていませんが、軽…

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『ファンシー』『フェイクプラスティックプラネット』『37セカンズ』

最近観た邦画3作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】『ヲタクに恋は難しい』感想レビュー--佐藤二朗は、世話になったからこそ福田雄一と袂を分かつべきではないか

43点 この映画は、誰に向けられて創られているのだろうか。主人公カップルのような「ヲタク」に向けられていないのは確かだ。原作の読者層もいまいち把握しきれていないのだが、おそらく「苦手な恋愛を頑張る若者」を見届けたい層が、若い女性を中心に一定…

【邦画】『シグナル100』感想レビュー--頭が良くない人たちのデスゲーム、いいかげん嫌になってきた

52点 なぜか美男美女しかいない、とある高校3年生のクラス。視聴覚室に集められたクラスメイト36人は、担任の下部(中村獅童)によって不気味な映像を見せられる。この映像を見たために、特定の行動を取ると自殺してしまう催眠にかかってしまったのだ。「…

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『この世はありきたり』『カイジ ファイナルゲーム』『音楽』

最近観た邦画3作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』『みぽりん』

最近観た邦画3作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『ルパン三世 THE FIRST』『ゴーストマスター』

最近観た邦画2作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】『午前0時、キスしに来てよ』感想レビュー--橋本環奈の「声」について、そろそろきちんと向き合うべきではないか

57点 みんな、本当は気になっているはずなのだ。だが、それを指摘した途端、これまで積み上げてきたものがガラガラと音を立てて崩れてしまうこともまた、解っているのだ。だから、誰もが気づかないふりをして、そこに触れないようにしているのだ。だが、こ…

【邦画】『"隠れビッチ"やってました。』感想レビュー--計算された画面構成と多視点の演出によって、極めて映画的に"隠れビッチ"を解体していく

73点 「隠れビッチ」とは、「他者から求められる自分」に優越感を感じて承認欲求を得るべく、あらゆる男から告白されることを生きがいに奮闘している女のことである。思い通りに告白の言葉を聞いた後は、鼻をほじりながら断りの電話を入れて、一丁上がりと…

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『HUMAN LOST 人間失格』『羊とオオカミの恋と殺人』『漫画誕生』

最近観た邦画3作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『決算!忠臣蔵』『地獄少女』『殺さない彼と死なない彼女』

最近観た邦画3作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『惡の華』『宮本から君へ』『任侠学園』

最近観た邦画3作のレビューです。直接的に文中で結末には触れていませんが、ネタバレにはご注意ください。

【邦画監督】河合勇人監督作品レビュー--漫画実写化に依存した今の日本映画界にとって貴重な手腕を持つ存在

虚構性の強いコミカルな作品、特に漫画実写化作品を手掛けることが多いが、持ち前のダイナミズムを駆使して良い意味でのマンガ的な空間を構築している。演出畑の人であり自ら脚本を書くことがないため、作品の出来は脚本家によって左右しているが、リアルか…

【邦画】『アルキメデスの大戦』ネタバレ感想レビュー--山崎貴監督作らしからぬ最後の問いかけは、監督自身をネクストステージへと押し上げた

70点 それほど山崎貴監督作品を追いかけているわけではない。また、本作がどれだけ原作準拠なのかも確認していないので、この物語に対する山崎貴監督の成分がどれほどの割合なのかも不明である。だが、この映画『アルキメデスの大戦』が、監督の過去作と比…

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『ホットギミック ガールミーツボーイ』『TOURISM』『アンダー・ユア・ベッド』

最近観た邦画3作の短評レビューです。例によって、軽くネタバレありです。

【邦画】『広告会社、男子寮のおかずくん 劇場版』ネタバレ感想レビュー--黒羽麻璃央と崎山つばさのイチャイチャぶりはともかく、広告屋の身勝手さは痛いほど伝わった

52点 TVドラマの劇場版とのことだが、元は全く知らない。男子寮に住む広告会社の若手社員4人が、金曜日の夜は皆で料理を持ち寄ってみんなで和気あいあいと夕飯を取るという話らしい。広告会社の社員が毎週金曜の夜に何も予定が無いのは、どの程度のリア…

【邦画】『ザ・ファブル』ネタバレ感想レビュー--身体能力の高さを見せつけても覆面を被せられていては岡田准一が報われない

52点 冒頭シーンで、壁に「壁」ってテロップが出ていた。斬新。料亭みたいなところで海外マフィアと暴力団の密会が行われていて、そこに岡田准一演じるプロの殺し屋が単身乗り込んで片っ端から撃ち殺すというオープニングである。空間が狭いためにアクショ…

【邦画】最近観た邦画感想レビュー--『町田くんの世界』『月極オトコトモダチ』『悪い女はよく稼ぐ』

6月公開の邦画3作の短評レビューです。例によって、軽くネタバレありです。

【邦画/アニメ】『海獣の子供』ネタバレ感想レビュー--手間のかかった緻密な作画ばかりが称賛されることへの危惧

62点 昨今のアニメ映画は、緻密に描きこまれた作画ばかりが賞賛されている気がする。もちろんそれは、アニメを評価するうえで、これ以上ないポイントではある。アニメとはつまるところ、絵の快楽を提供するものだから。ただ最近は、作画の手間だけで作品の…

『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』ネタバレ感想レビュー--青春映画のヒロイン向きではない上白石萌音が中心となることで発生する生々しさ

55点 長く連載された少女漫画の中盤のエピソードを抜き出しているせいで、主人公の男女が同棲して付き合っているところからスタートするという、昨今のキラキラ映画では珍しいタイプの作品となっている。冒頭に、これまでのあらすじとして、映画1本分に相…

【邦画】『翔んで埼玉』ネタバレ感想レビュー--同性に対する恋愛感情をここまでフラットに描いた邦画が、かつてあっただろうか

77点 都道府県ネタに関しては、関東在住でなくても解るような定番のものが多かった。埼玉県民に対する揶揄として「海に異常に執着する」というのが何度も出てくるが、これは小学校で習う社会科の知識があれば理解できるわけだし。他にも草加せんべいや深谷…

【邦画】『ニセコイ』ネタバレ感想レビュー--マンガ的であるとはどういうことか追求し、空間演出もキャラクター造形も手を抜いていない

70点 これ、漫画実写化の正攻法での成功例であり、現代日本におけるスクリューボール・コメディの完成形ではないか。それくらい素晴らしく、興奮した。監督が『鈴木先生』(ドラマも映画も)の人だと後で気づいて納得。『チア☆ダン』『俺物語!!』など観逃…

【邦画】『春待つ僕ら』ネタバレ感想レビュー--周りのイケメンから勝手に恋愛感情を抱かれていて、本人は別のことで悩んでいる、というのは少女漫画のスタンダードなのか?

58点 ほとんど少女漫画を読まないし、少女漫画原作の邦画もあまり観ないので、本作がどの程度のスタンダードなのかは判断できない。パッと思いついた少女漫画原作の映画が『ちはやふる』と『溺れるナイフ』なのだが、たぶんこれらはイレギュラーなほうだろ…

【邦画】『ノーマーク爆牌党』ネタバレ感想レビュー--NON STYLE・石田明に天才雀士の役をオファーするのが悪い

52点 お笑い芸人でありながら、役者として映画やドラマに出演する人は、別に珍しくもない。話題性やイロモノ扱いではなく、あくまで役者の実力を買われてオファーされている人もザラにいる。最近の邦画でよく見かける芸人では、TKO・木下隆行やアンジャ…