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小説

【小説】『アノニム』原田マハ--ジャクソン・ポロック作品の持つ力を事前に知っているかどうかで評価は変わる

アノニム 作者: 原田マハ 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/06/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 58点ジャクソン・ポロックの未発表作品『ナンバー・ゼロ』が発見され、香港のオークションにかけられることになる。「ゼウス」と呼ば…

【小説】森見登美彦『夜行』、冲方丁『十二人の死にたい子どもたち』、小林泰三『失われた過去と未来の犯罪』

久しぶりに、最近読んだ小説レビューです。3作中2作が今回の直木賞候補作ですね。 スポンサードリンク // 森見登美彦『夜行』 夜行 作者: 森見登美彦 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2016/10/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (21件) を見る 6…

【小説】最近読んだ小説レビュー --原田マハ、折原一、早坂吝

ゴールデンウィークが明けてから異常に忙しいのと精神的にちょっと参っているのとアニメ『迷家』がどっちの方向で行きたいのかいまだはっきりしないのとか色々あって当ブログの更新も滞りがちになっています。過去の経験則からすると、たぶんあと1ヶ月くら…

【小説】最近読んだ小説レビュー--彩藤アザミ、桐野夏生、大崎梢

彩藤アザミ『樹液少女』 65点第1回新潮ミステリー大賞受賞者の2作目。雪で閉ざされた山荘を舞台にした連続殺人事件が起こるという、正統派の本格ミステリを思わせる設定こそが、本作に巧妙に仕掛けられた罠であった。幼少期に行方不明となった主人公の妹…

【小説】最近読んだ小説レビュー--城山真一、真保裕一、井上真偽

城山真一『ブラック・ヴィーナス』 67点第14回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。巻末には選考委員の選評も載っているが、前からだけどこの人たちは本当に「リーダビリティ」という単語が大好きである。今回も4人中3人が「リーダビリティ」または…

【小説】最近読んだ小説レビュー--有栖川有栖、石持浅海、上田早夕里

有栖川有栖『鍵の掛かった男』 66点火村英生シリーズの最新作で、長編としては9年ぶり。大阪・中之島にあるホテルで謎の死を遂げた謎の男の謎の人生を、主に"助手"の有栖川(作者じゃなくて小説内の登場人物。念のため)が解き明かしていく。登場人物の多く…

【小説】最近読んだ小説レビュー--清水杜氏彦、彩坂美月、浦賀和宏

最近、電車の中で読んだ小説レビューです。ここのところハズレなしで、どれもオススメです。まあ、ハズレっぽいのは途中で読むのをやめてるからだけど。 清水杜氏彦『うそつき、うそつき』※ 第5回アガサ・クリスティー賞 嘘をつくとランプの光る首輪をすべ…

【小説】恩田陸『消滅』--恩田陸らしさは控えめだが、読み終わるとやっぱりいつもの恩田陸

202X年という近未来、空港の入国審査で止められた11人が、その中に紛れ込んでいるというテロリストを探す話。群像劇だが視点となるのは頭の回転が速い数名のみ。この視点となる人たちが総じてクールすぎるので、手に汗握る心理戦という要素はそれほど感じず…

【小説】白河三兎『総理大臣暗殺クラブ』--親子というのは、あらゆる社会システムの中でも最も強固で変化を求めるのも困難な代物である

表向きは、とある高校で数名が所属するだけの小さな部活動「政治部」。しかしその実態は、総理大臣の暗殺を企てる秘密組織だ! という高校が舞台なのに中二病みたいな設定。なのだが、総理大臣を暗殺したい理由はイデオロギーでもなんでもなく「乙女の恋心」…